いつもブログをお読みくださり、有難うございます☺️
ベヒシュタインでの演奏動画配信はまだですか?と沢山の嬉しいお声を頂いておりましたが、ついに昨日12月9日、第1本目の動画をアップロード致しました。大変長らくお待たせ致しました🥂
ベヒシュタインのピアノの音色だけでなく、譜面台や内部、装飾の美しさを視覚的にも楽しんで頂けるように、カメラのセッティングや編集方法など色々と工夫しました。まだまだ試行錯誤中ですが、今できることを詰め込んでまずは一本作り上げました。是非ご覧下さい。
今回はとにかく様々なアングルから楽しめるような動画を作ろうとしましたが、今後は曲ごとの特徴に合わせて、音楽の世界観にもっと深く入り込めるような動画を作っていきたいと思っております。まだまだ研究段階ですので、些細なことでもアドバイスがあれば是非ご教示下さい。
次回の動画はもちろん!アラベスク2番と続きます😉実は、アラベスク2番はベヒシュタインのピアノの良さをより一層に引き出せる曲だと思いますので、乞うご期待!
このピアノが我が家に来て1年と3ヶ月あまり。少しずつ音色も安定してきて、曲との相性や特徴も掴めてきたこの頃……。最初の頃はペダルもすっごく硬くて踏みづらかったり、高音にバラツキがあったりしたのですが、天才調律師の荒木さんが工夫を凝らして、ピアノを良い状態へと導いてくれました。
撮影と編集に慣れてきたらYouTubeにも月に3、4本の動画をあげられるようにしていきたいなーと思っております!実は、ドビュッシーのピアノ曲全曲チャレンジ・プロジェクトも3年前から目論んでいて、曲の準備も着々と進めてきました😌応援のほど、よろしくお願い申し上げます❣️
Instagramでは曲が完成するまでの道のりをアップしたり、日々のパリ暮らしの様子も赤裸々に載せています。フォローの上チェックして頂けたら嬉しいです!
早くも12月となり、2023年も終わりを迎えようとしています。
記憶が薄れないうちに今年の夏、モロッコを旅したことを少しだけお話したいと思います♩
この旅のおかげで、今回YouTubeにアップロードしたドビュッシーのアラベスクを演奏する際に想起するイメージが研ぎ澄まされたように思います。
まず、"Arabesques (アラベスク)"とは何か、皆さまご存知ですか?
アラベスクとは、モスクなどの壁面装飾に見られるイスラム美術の一様式のことを指し、植物や鳥獣などをベースとした幾何学的文様を反復することで神性を表現するものとして作られているそうです。
音楽でいうと、アラベスクは、装飾的でありかつ複雑な幾何学的反復を通じて、どこか幻想的な雰囲気を醸成する楽曲のことを指します。「アラベスク」というタイトルを冠する曲はドビュッシーだけではなく、例えばブルグミュラー、そしてシューマンも書いていますね!
それでは、音楽的にそのような"Arabesques (アラベスク)"をどう表現するか?ということですが、実は現在師事しているパラスキヴェスコ先生のレッスン内では、アラベスクとは全く違う曲を演奏している時でも頻繁に"Arabesques "という言葉が飛び交います。
たとえば、ラヴェルをレッスンに持って行ったとき(確かピアノコンチェルト・ト長調の第二楽章であったと思いますが🤔)、この言葉を聞きました。この曲では、コンチェルトパートでメロディを奏で、ピアノは完全に伴奏に徹する場面があります(以下の楽譜参照)。
"C'est juste une arabesque"と、単なるアラベスク模様なのだから、装飾を深読みしすぎてメロディラインを持たせたりせず、ただただ飾ることに徹して綺麗に弾いてみてというニュアンスで指摘を受けました(同じ意味で先生は、DécorationやOrnement、つまり「装飾」という言葉をよく使われます)。どうやら、私はパッセージの中にメロディラインを汲み取りそれを歌いすぎていたようでした。
また、ベートーベンはアラベスク模様とはかけ離れた作曲家のように思えるのですが、彼の『ソナタ』のレッスンでもこのようなニュアンスの指摘も受けたことがあります。フランスでのピアノレッスンでは意外と普通に飛び交う用語の一つなのです。ちなみに、バレエのポーズでもアラベスクというのが存在しますよね(これがこの装飾的な要素と関連しているのかどうかは分かりませんが)。
モロッコの旅でも、モスクや門の壁のアラベスクの幾何学的な模様を観て、繊細で緻密でありながらも壮大に広がる光景に圧倒され、幾度も鳥肌がたちました。ただ、その感動は、例えばヨーロッパで教会に入った時に感じる繊細な心の揺れ動きや身震いとはまた違うものでした。
ちなみにアラベスク模様とは少し違うかもしれないのですが、私はドビュッシーを演奏するときに「万華鏡」で見える世界観がイメージされることがしばしばあります。レッスンでも「万華鏡」をイメージしてみたらどうか?と言ったこともあります。万華鏡の中の模様の移り変わりが、段階的に和声が変化していき、次のフレーズに繋がっていく様と重なっているように思いますし、また、突然に場面(万華鏡の模様)が変わったりする瞬間の大きな変化がドビュッシーの曲のつくりと似ている気がするのです。
だいぶ脱線してしまいましたが、モロッコ旅行記に話を戻しますと、アフリカ大陸は初めてで、ワクワクドキドキがいっぱいな旅でした。今回訪れたのはアシラー、タンジェなど主に海沿いの街と、山岳地帯にある小さな青い村シャウエン、そして迷宮都市フェズ。
イスラム教は音楽を官能的快楽もたらすものとして容認していない為、街を歩いていても音楽はほとんど聴こえてくることはありませんでした。その代わり一定の時間になると街中で大音量で流れるアザーンがかなり印象的でした。単調ながらも旋律があるように聴こえ、音楽的な要素を感じたのですが、音楽とは別物として扱われているようです。
唯一タンジェで泊まったホテル(LA MAISON DE TANGER)にはピアノがあり、コロニアルな内装と、モロッコ風インテリアの組み合わせがすごく素敵でまた泊まりたいホテルの一つでした。
そして、モロッコの食事もすごく美味しかったです。海沿いの街タンジェでは海鮮タジン鍋が絶品でした!マロカンサラダは、暑くて疲れた身体が生き返るような美味しさでした。もちろん、食後のミントティも忘れずに頂きました🌱
今回の旅のメインの一つは山岳地帯の小さな村シャウエン。
ここは青い村と呼ばれ、モロッコ屈指の観光名所で世界中から旅行客が訪れます。そういうわけで、他の街に比べて人も多く、日中から夜にかけてとても賑やかでした😅反面、朝は非常に静かで涼しく、静寂の中での朝の散歩は気持ちの良いものでした!そしてモロッコといえば、猫🐈⬛ちゃんが多くて猫好きにはたまらない国なのですが、シャウエンは(ご存知の方も多いとは思いますが)まさに猫の街でした😳
ちなみに、各都市の移動は相席タクシーや現地バスなどを利用しました。
移動中、何も無い砂漠を走っているときに「ここで事故ったらどうなるんだろう?笑」と何度も頭をよぎってヒヤヒヤ……。相席タクシーも、同じ目的地に行きたい人を探すまで出発しないため、インターネットも通じない何もない場所でひたすら待機するようなこともありました笑(ABEMA TVの『世界の果てにひろゆき置いてきた』でもこんなシーンあったような……🤔)
ヨーロッパ旅行だったら経験しないようなスリリングな瞬間を経験したり、他方、これまでに見たことのない絶景に出会えたときのこの上ない胸の高まりを感じることもありました。全ての行程を終え、無事にパリに戻ってきたときは何かミッションを一つやり遂げたようなホッとした感じがありました笑
まだまだ思い出話はあるのですが、Instagramにまた写真とともに載せたいと思っていますので是非チェックして頂ければと思います❣️
そしてYouTubeアラベスク1番リンクはこちら
アラベスク2番は12月中に配信予定です!
また、ベヒシュタインのピアノでの動画配信を記念して、近々ベヒシュタイン購入までの道のりや搬入秘話も2夜連続ブログで載せる予定ですのでお楽しみに!🤭
Comments