10 ans en France 🇫🇷 : Retrospective d'une décennie (2015-2025) ~2つのワルツから振り返る10年の軌跡~

　少し前となってしまいましたが、2025年9月16日、パリに移り住んでからちょうど10年という節目の日を迎えました🇫🇷留学生活を始めた当初は、まさかその10年後もパリに住んでいるとは思ってもいませんでした。

　2025年9月16日、その記念すべき日は、パリではなく、スペインのマヨルカ島におりました🏝️昨年参加したコンクールの副賞として「Chopin Session」というイベントに参加した為です🎹

　フランス生活10周年の節目の日を、マヨルカ島で迎えることになったのは少し不思議なご縁にも思われます。というのも、マヨルカ島は、パリと同じくショパン所縁の地の一つだからです。マヨルカ島のイベントでは、ラヴェルの作品数曲とショパン晩年の大曲《幻想ポロネーズ》を演奏させていただき、非常に貴重な経験となりました😌

　かねてから「渡仏10周年の節目には、YouTube上でも大きな作品をお届けしたい」と考えており、先日、ショパンの《幻想ポロネーズ》をアップロード致しました。この度、もう一本、皆さまにお届けしたい曲がございます。それは、ラヴェルの《高貴で感傷的なワルツ》です。

　思い返せば、ちょうど10年前の2015年、東京音大の集大成とも言える卒業試験で《ラ・ヴァルス》を演奏し、同年夏にはフランスでのセミナーの修了コンサート（これがフランスでの初舞台ともなりました🇫🇷）でもこの曲を演奏しました。どちらも私の人生の中で、とても印象深いステージです。10年の時を経た今、ラヴェルのもう一つの“ワルツ”に立ち戻ることにしました。

　今回選んだ《高貴で感傷的なワルツ》は、同じ“ワルツ”と名が付く作品として、《ラ・ヴァルス》と肩を並べる作品で、よく比較の対象となります。《ラ・ヴァルス》が技巧と体力の限界に挑む作品だとすれば、《高貴で感傷的なワルツ》は、作品の奥に潜む繊細な表現や響きのニュアンス、そして直感的なセンスが問われる作品です。この作品の精巧さ、繊細さ、優美さをどのようにしたらより良く表現できるのか......。フランスでの10年間の学びと培った経験すべてを賭け、この曲に挑戦することにしました。

　撮影場所は以前の動画でも利用させて頂いたパリのSchola Cantorum音楽院のSalle d'Indy。高い天井と豪華なシャンデリアが煌々と輝くパリらしい素敵なこのサロンは、まさに《高貴で感傷的なワルツ》の華やかさに打ってつけだと感じます🇫🇷✨

　その演奏動画をこの度、Youtubeにアップロード致しました。是非是非ご覧ください‼️

　大曲なので16分と長い映像になりますが、演奏も映像もこだわっております。第7曲目の感動的なクライマックスに留まらず、第8曲目のエピローグまで、どうぞお見逃しなくご覧下さい😉

　さて、卒業試験やフランス初舞台で演奏した《ラ・ヴァルス》ですが、今は体力的にもう弾けるかどうか怪しくなってきました😂ですが、この曲の演奏は、いつか、出来ることならベヒシュタインのピアノでも記録に残したいと思っています。

　YouTubeのチャンネル上には、まだ少しあどけなさが残る10年前の“若さ”で演奏した《ラ・ヴァルス》もございます。フランスでのステージデビュー映像ですが、まだご覧になっていない方は、どうぞ併せて楽しんで頂けたら幸いです🎵

　2025年も残すところあと1ヶ月半となりました。

　今年は、夏頃からYouTube上への演奏動画の投稿を本格化し、まだ数は決して多くはないですが、少しずつ、皆さまに作品をお届けして参りました。本来、必ずしもラヴェルばかりアップロードする予定ではなかったのですが、期せずして（？）、その多くがラヴェルの作品となっていました。それは、以前のブログでも何度か触れておりますが、2025年という年が、ラヴェルの生誕150周年の節目で、コンサートなどでも演奏の機会が多かった為です😅

　ひょっとすると「あれ…...真利恵、最近ドビュッシーあんまり弾いてないね？」と思われる方もいらっしゃるかもしれません🙇‍♀️笑

　この次にアップロード予定の動画はドビュッシーの名曲となっております🇫🇷🤍

　2026年は、ドビュッシーを中心に沢山のフランス音楽を皆さまにお届けできるように準備を進めております。引き続き応援の程宜しくお願い致します✨